USB 1.0/1.1 【Universal Serial Bus 1.0/1.1】
概要
USB 1.0/1.1(Universal Serial Bus 1.0/1.1)とは、コンピュータと周辺機器などを結ぶUSB(Universal Serial Bus)の最初期の規格。USB 1.0は1996年に、USB 1.1は1998年に策定された。USBは金属線ケーブルを通じて高速なデータ通信と電力供給を行うことができる接続規格で、コンピュータと周辺機器の間の汎用的な接続手段として仕様が策定された。近年ではスマートフォンなどのモバイル機器の外部との通信や充電、USBメモリ、USBドングルなどに用途が拡大している。
USB 1.0は1996年に業界団体USB-IF(USB Imprementers Forum)によって発行され、仕様の曖昧な箇所を明確化した修正規格として1998年にUSB 1.1が発行された。実際にはUSB 1.1の発行後に対応機器の普及が始まったため、現在では最初期の規格を指して「USB 1.1対応」のように表記することが多い。
データ伝送仕様として最高1.5Mbps(メガビット毎秒)の「LSモード」(Low Speed mode)と、最高12Mbpsの「FSモード」(Full Speed mode)の2つを定義している。LSモードは制御情報の伝送など低速でも構わない機器(マウスやキーボードなど)向けに、FSモードはまとまった量のデータ伝送を行う機器(プリンタやイメージスキャナ、各種ストレージ装置など)向けに策定された。
USBによる規格統一
それまでパソコンには機器の種類や用途、必要な伝送速度などに応じてシリアルポート(RS-232C)、パラレルポート(IEEE 1284)、PS/2ポートなどを使い分けていたが、USB 1.0/1.1の登場で外部ストレージなど一部を除いてほとんどの機器がUSB接続に統一された。
USBを基準として、それ以前の周辺機器の接続インターフェース規格群を「レガシーインターフェース」(legacy:遺産)と総称する。2000年代半ば頃には新規に販売されるほとんどのパソコン製品が旧規格のインターフェースを搭載しない「レガシーフリー」型となっていった。