VICS 【Vehicle Information and Communication System】
概要
VICS(Vehicle Information and Communication System)とは、刻々と変化する道路状況や交通情報などを電波などで自動車に知らせるシステムのこと。財団法人道路交通情報通信システムセンターが運用しており、カーナビゲーションシステムなどから利用できる。同センターが関係機関から交通や道路に関する情報を収集し、全国に配置された設備から電波などで発信している。VICS規格に対応した車載機器を内蔵した自動車は、近隣の設備から情報を受け取ってカーナビの画面などに重ね合わせて表示する。
提供される情報には、混雑や渋滞、所要時間の情報、事故や工事、故障車、路上障害物などの情報、速度や車線規制、通行止め、高速出入り口の閉鎖などの一時的な規制に関する情報、駐車場やサービスエリア、パーキングエリアの所在や混み具合の情報などがある。
情報の発信方式としては、全国のFMラジオ放送の電波に人間の聞こえない形式の信号を重ね合わせて送信するFM多重放送、高速道路などに設置された電波ビーコン、一般道に設置された光ビーコンなどがある。各発信設備は周辺や進行方向の情報のみを提供している。
VICSの利用自体は無料だが、カーナビなどが対応機種である必要があり、通信方式に応じた受信装置(アンテナや配線など)が必要になる。電波ビーコンは初期には2.4GHz帯の電波を用いていたが、2010年代からは5.8GHz帯のDSRC方式を用いる「ITSスポット」が整備され、これを利用した情報サービスは「ETC2.0」と呼ばれる。
(2022.6.7更新)