テクノストレス 【technostress】

概要

テクノストレス(technostress)とは、コンピュータを扱うことが原因で起きる失調症状の総称。コンピュータに適応できないために生じる「テクノ不安症」や、過剰に適応したために生じる「テクノ依存症」、身体的な不調である「VDT障害」などの種類がある。

現代では仕事や生活にパソコンやスマートフォンなどのコンピュータが必須となっており、長期間に渡って毎日長時間触れ続ける人が増えている。このような生活の変化に伴って現れるようになった身体や精神の不調を総称して「テクノストレス」という。1984年にアメリカの臨床心理学者クレイグ・ブロード(Craig Brod)氏が命名した。

コンピュータに適応できず、職場などで不慣れなコンピュータの操作を強いられ続けることで生じる精神的な失調を「テクノ不安症」(techno-anxiety)という。一方、コンピュータに過剰に適応して依存的になることで生じる精神的な失調を「テクノ依存症」(techno-addiction)という。

初期にはこうした精神面や心理面での失調が注目されたが、後に、長時間コンピュータで作業することによって生じる身体的な不調である「VDT障害」もテクノストレスの一種に加えられた。画面の見すぎによる眼精疲労や視力低下、キーボード作業のしすぎによる肩こり、腰痛、腱鞘炎などである。

(2025.2.26更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。