読み方 : テクノいぞんしょう
テクノ依存症【techno-centered】
概要

アメリカの心理学者クレイグ・ブロード(Craig Brod)が提唱した「テクノストレス」(technostress)の一類型とされる。もともとは1980年代のオフィス自動化の進展に伴い、コンピュータを日常的に扱うシステムエンジニアやオペレーターに観察された職業的な症状として知られていた。
症状としては、機器に触れられない状況での強い不安、時間感覚の喪失、作業の中断や割り込みへの極端な抵抗感などがある。また、コンピュータ的な思考パターンに引きずられ、物事を「正解か不正解か」「はい/いいえ」という二者択一で捉える傾向が強まり、現実社会の曖昧さや不確実性を受け入れられなくなることも特徴とされる。こうした認知の変化が対人関係にも影響し、他者との交流を避けたり、人を見下す態度が生まれたりする場合がある。
近年では、デジタル機器が生活全般に浸透し、幼少期からスマートフォンやタブレット端末に触れることが一般的となったため、特定の職業に限らずあらゆる職種、世代で発生し得る状態となっている。通知機能や推薦アルゴリズム、常時接続型のサービス設計により利用が途切れにくい環境も形成されており、依存的な習慣が固定化しやすい状況にある。若年層を中心に、ゲームやSNSへの過剰な没入が学業や就労、生活習慣の乱れとして表面化するケースは、教育や医療の現場でも取り上げられている。
関連する概念として、世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」を国際疾病分類(ICD-11)に収載しており、ゲームへの制御困難な没頭が生活に重大な支障をもたらす状態を精神疾患として定義している。テクノ依存症は「ゲーム依存」「SNS依存」などを包含する上位の総称として用いられることが多いが、それ自体は医学的に確立された疾患名ではない。
(2026.6.24更新)