サイバースペース【cyberspace】サイバー空間/電脳空間

概要

サイバースペースとはインターネットのような広域的なコンピュータネットワーク上に展開される情報空間を、人々が社会的営みを行う場として現実世界の空間になぞらえた表現。仕事や商取引、他者との交流、情報の発信・収集といった多様な活動が行われる領域として理解される。
サイバースペースのイメージ画像

この語は “cybernetics”(サイバネティックス)と “space”(スペース)の造語であるとされ、1980年代にカナダのSF作家ウィリアム・ギブスン(William Gibson)の小説群、とりわけ1984年発表の「ニューロマンサー」(Neuromancer)によって広まった。作中では、脳や感覚器官をコンピュータネットワークに直接接続し、人間の意識がデータ空間へ没入する様子が描かれている。

このSF的なイメージを背景に、1990年代にはアバター(利用者を代理するキャラクター)を介した遠隔コミュニケーションや、VR仮想現実)技術による没入型の仮想空間を指す語として用いられることが多かった。インターネット以前の人々にとってサイバースペースは、現実とは切り離された特殊な電子的領域として捉えられていた。

21世紀に入りインターネットが急速に普及すると、人々は友人や知人との交流、情報の発信と収集、商取引やビジネス上のやり取りといった日常の営みをネット上で行うようになった。スマートフォンや高速通信網の整備により場所を問わないインターネット接続が一般化し、クラウドサービスを通じたデータの蓄積・処理も当たり前になった。犯罪や紛争さえもネット空間を舞台に発生するようになり、インターネット空間そのものが社会基盤の一部として捉えられるようになった。

今日では、WebサービスSNS、オンラインゲーム、メタバースなどネットワークを介した活動環境の全体を総称してサイバースペースと呼ぶことがある。社会インフラとしての重要性が高まる中、「サイバー攻撃」「サイバーセキュリティ」「サイバー犯罪」のように、ネットワーク情報システムに関わる事象を形容する接頭語「サイバー~」(cyber-)も定着している。

(2026.6.19更新)
 

他の辞典等による「サイバースペース」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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