サポートユーティリティ 【supporting utilities】

概要

サポートユーティリティ(supporting utilities)とは、情報システムを運用する施設の稼働に不可欠な設備やライフライン、公共インフラなどのこと。ここでの “utility” は電気、ガス、水道などの公益事業の意。

それ自体は(狭義の)コンピュータシステムの一部では無いが、システムの稼働や運用のためには大前提として必要となる要素を指す。JIS Q 27002:2014(情報セキュリティマネジメントの実践のための規範)ではサポートユーティリティの例として「電気、通信サービス、給水、ガス、下水、換気、空調」が挙げられている。

経済産業省の情報セキュリティ管理基準ではサポートユーティリティについて、定期的な検査や試験、不具合を検知するための警報装置の取り付け、物理的な経路が異なる複数の供給元の確保などを推奨している。実際の情報システム運用では、UPS無停電電源装置)や自家発電設備の設置、二系統以上の通信回線の引き込みなどが行われることがある。

サポートユーティリティソフトウェア

コンピュータや周辺機器、情報機器などの中には、装置の運用を円滑化する支援機能を提供するソフトウェアが添付される場合があり、これをサポートユーティリティと呼ぶことがある。ここでの “utility” 「役に立つ」「実用性」などの意味で、ユーティリティソフトウェアを省略したものであり、ライフラインの意味のサポートユーティリティとは直接の関係は無い。

(2021.8.1更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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