サイバー犯罪条約 【Convention on Cybercrime】
概要
サイバー犯罪条約(Convention on Cybercrime)とは、コンピュータやネットワークを利用したサイバー犯罪に対して各国司法当局が連携して対応できるようにするための条約。欧州評議会が起草し、2001年に日米欧の主要国を含む30か国の署名により採択された。不正アクセスや盗聴、ネット詐欺、コンピュータウイルス、著作権侵害など、コンピュータやインターネットに関連する犯罪の類型を定義した実体法に関する部分と、犯罪記録などの捜索や押収、保全などの捜査手法を定めた手続法に関する部分、各国当局間の連携・協力について定めた条約部分などから構成される。
インターネットを通じて国境を越えて行われるサイバー犯罪に対して加盟国の捜査当局が協力して捜査にあたり、証拠の保全や提供などの協力を円滑に進めることを可能にする。当局による市民の自由の抑圧やプライバシー侵害などを懸念する声もあり、人権や市民の権利に関する既存の条約や国際規約を遵守することも合わせて定められている。
2004年に発効し、日本では2012年から有効となっている。現在までに米国、カナダ、オーストラリア、欧州の大半、中南米やアフリカの一部など33か国が批准しており、アジアでは日本、フィリピン、スリランカが批准している。
(2022.6.28更新)