サイバーテロ【cyberterrorism】
概要
サイバーテロとは、政治的、思想的あるいは宗教的な目的のもとに行われるサイバー攻撃のこと。国民生活や経済、人命に深刻な打撃を与えることを狙い、公的機関や公共インフラを標的とした大規模な攻撃を指すことが多い。

サイバー攻撃のうち、金銭的利益を目的とするサイバー犯罪とは動機が異なり、政治的主張の宣伝、要求の強要、威嚇、報復などを意図して実行される点でテロリズムの一形態と位置付けられる。攻撃主体は特定の個人や組織、民族主義や過激思想などを動機とする集団、あるいは国家が背景にあると疑われるグループなど様々である。
標的となるのは、官公庁や軍、マスメディア、通信事業者、電力やガスなどのエネルギー供給網、交通機関、金融機関、医療機関など、社会機能の維持に不可欠な組織や機関が多い。こうした重要インフラを機能不全に陥らせることで、社会的混乱や経済活動への打撃、人命への脅威を生じさせることが主な狙いとなる。
手法としては、システムへの不正侵入、データの破壊・窃取、大量のトラフィックを送りつけてサービスを停止させるDDoS攻撃、Webサイトの改竄、重要データを暗号化して身代金と引き換えに要求するランサムウェア攻撃などがある。Webサイトの改竄やDDoS攻撃では、特定の国家や民族に属するという理由だけで、関連する組織が無差別かつ広範に標的となる場合もある。
近年ではウクライナ戦争やパレスチナ紛争のような現実の武力衝突と連動する形でサイバーテロが展開される事例もみられ、「サイバー戦争」との区別が曖昧になる局面が増えている。社会のデジタル依存度が高まる中、情報システムの停止は交通や金融、医療など現実社会や日常生活にも直接影響を及ぼすため、各国は重要インフラの防護体制の強化や国際的な情報共有を進めている。
(2026.6.25更新)