読み方 : じょうほうセキュリティポリシー

情報セキュリティポリシー【information security policy】

概要

情報セキュリティポリシーとは、企業や官公庁などの組織が保有する情報資産コンピュータシステムを安全に管理・運用するための基本方針や対策基準を定めた文書。広義には実施手順や運用規約、社内規定などを含む一連の文書体系を指す場合もある。
情報セキュリティポリシーのイメージ画像

情報システム部門や法務部門などの助言を得ながら経営層が主導して策定し、従業員や委託先など適用対象に周知・徹底するものとされる。基本方針については、組織の情報管理に対する姿勢を示す文書として外部に公開されることも多い。

文書体系は一般に三層構造で整理される。最上位の「基本方針」では適用範囲や対象となる情報資産、組織体制、各部門の責務、遵守すべき法令などを定める。これを受けた「対策基準」では、アクセス制御認証、端末管理、インシデント対応などの管理策を規定する。「実施手順」では、各部門や担当者が業務で従う具体的な操作方法や運用方法を定める。基本方針のみ、あるいは対策基準までをポリシーの範囲とする場合が多い。

情報セキュリティポリシーが対象とする脅威には、不正アクセスマルウェア感染、情報漏洩内部不正、人的ミスなどがある。近年ではリモートワークの定着やクラウドサービスの利用拡大、生成AIのビジネス活用、サプライチェーン(取引先)を狙った攻撃の増加などを受け、これらに対応する管理基準をポリシーへ盛り込む例も増えている。また、社内ネットワークインターネットの境界を守るという従来の「境界防御」考え方では十分な安全性を確保しにくくなっており、すべてのアクセスを信頼しない「ゼロトラスト」の概念を取り入れた方針策定も広まっている。

策定した方針を組織内に反映させるため、教育や訓練を通じて実際の業務行動に反映させることが前提となる。一度策定して終わりではなく、サイバー攻撃の手口の変化や法令・業界ガイドラインの改定、組織体制の変化などに応じて定期的な見直しと改訂が必要とされる。情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格として「ISO/IEC 27001」が、その日本産業規格として「JIS Q 27001」が標準化されており、経済産業省では「情報セキュリティ管理基準」を発行している。ポリシーの策定にあたってはこれらの標準規格やガイドラインも参照される。

(2026.7.15更新)
 

他の辞典等による「情報セキュリティポリシー」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「情報セキュリティポリシー」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令6 問94】 企業において情報セキュリティポリシー策定で行う作業のうち、次の作業の実施順序として、適切なものはどれか。a 策定する責任者や担当者を決定する。
令4 問85】 情報セキュリティポリシーを、基本方針、対策基準、実施手順の三つの文書で構成したとき、これらに関する説明のうち、適切なものはどれか。
令1秋 問84】 内外に宣言する最上位の情報セキュリティポリシに記載することとして、最も適切なものはどれか。
平31春 問85】 情報セキュリティポリシを、基本方針、対策基準及び実施手順の三つの文書で構成したとき、これらに関する説明のうち、適切なものはどれか。
平27春 問47】 情報セキュリティ基本方針、又は情報セキュリティ基本方針と情報セキュリティ対策基準で構成されており、企業や組織の情報セキュリティに関する取組みを包括的に規定した文書として、最も適切なものはどれか。
平26秋 問61】 組織で策定する情報セキュリティポリシに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
平26春 問75】 情報セキュリティポリシに関する文書を、基本方針、対策基準及び実施手順の三つに分けたとき、これらに関する説明のうち、適切なものはどれか。
平22秋 問76】 情報セキュリティポリシに関する考え方のうち、適切なものはどれか。
平21秋 問56】 情報セキュリティポリシに関する記述のうち、適切なものはどれか。
平21春 問54】 企業の情報セキュリティポリシの策定及び運用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。