ガバメントクラウド 【Gov-Cloud】
概要
ガバメントクラウド(Gov-Cloud)とは、政府機関や地方自治体が共通して利用することができる公共機関向けのクラウド環境。各機関が個別に設置・運用していたシステムを共通のクラウド基盤に集約し、効率化や省力化、低コスト化、セキュリティ向上を進めることができる。クラウドサービスは大手事業者が運用する大規模データセンター内に契約者のシステムを立ち上げて遠隔から利用する仕組みで、すでに民間のネットサービス事業や社内システムなどの多くがクラウド上で展開されている。
政府機関などの公的機関でもクラウド利用を促進するため、公共システムに適したサービス要件を定め、民間事業者の既存のクラウドサービスを共同で調達して利用できるようにする仕組みをガバメントクラウドという。データセンターやサービス品目などは民間向けと共通・共用だが、アクセス回線などは専用のサービスなどを用いる。
日本では2022年からデジタル庁が主体となって環境整備が進められている。指定サービスとして当初は世界的な大手クラウドサービスの「Amazon Web Services」(米アマゾン・ドット・コム社)、「Microsoft Azure」(米マイクロソフト社)、「Google Cloud」(米グーグル社)、「Oracle Cloud Infrastructure」(米オラクル社)の4つが発表されたが、後に国内事業者による「さくらのクラウド」(さくらインターネット)が追加された。
ガバメントクラウドでは各府省など政府機関、都道府県や市区町村など地方自治体のシステムが運用される。自治体については、住民基本台帳や戸籍、地方税、国民健康保険、国民年金など20業務を対象にガバメントクラウド上でのシステム標準化の指定が行われており、単一の共通アプリケーションに各自治体が既存データを移行して利用する方式となっている。
(2025.8.10更新)