ネチケット 【netiquette】
概要
ネチケット(netiquette)とは、「ネットワーク」(network)と「エチケット」(etiquette)を組み合わせた造語で、インターネットを利用する際に心がけるべきマナーや規範のこと。公的な、あるいは何らかの明確に定義された規約ではなく、社会で緩やかに共有されている行動指針である。Webサイトやネットサービス、電子掲示板(BBS)、チャット、SNS、メッセンジャーなどで情報を送受信したり共有したりする際に、他者に不利益を与えたり不快にしないために気をつけるべき事柄をまとめたものである。一部は時代と共に変化し、また、コミュニティやサービスなどそれぞれの「場」によっても違いが見られる。
ネチケットは倫理・道徳の問題であるため、利用規約や法律といったルールの範疇に含まれる事柄は本来取り扱わないが、インターネットが普及して日が浅く、禁止事項や法令違反について一般社会のそれと同じようには認知が進んでいないため、著作権の取り扱いなど、啓蒙の意味を込めて法的な要素を含めることもある。
具体例
一般社会と共通なものとしては、知らない相手には丁寧に接する、誹謗・中傷・挑発・差別的発言などをしない、個人情報やプライバシーを本人に同意を得ずに他人に教えたり書き込んだりしない、他者の著作物や肖像を無断で使用しない、といったものがある。
ネット社会特有なものとして、検索エンジンなどで簡単に調べられるようなことを人に聞かない、同じ質問をあちこちで同時にしない、チェーンメールを転送しない、メールの同報送信で他人のメールアドレスを勝手に他の人に教えない(BCCを使う)といったものもある。
技術的な要請
また、コンピュータやソフトウェア、通信回線などの技術的な要請から必要とされるものもある。例えば、大容量のデータを電子メールに添付しない、機種依存文字を使用しない、不正アクセスやウイルス感染の踏み台にならないようソフトウェアを最新に保ちセキュリティソフトで自衛する、といった点がよく指摘される。
技術的な背景は時代によって大きく変わり、変化のスピードも速いため、少し前のマナーが時代遅れになってしまうこともある。例えば、ネット普及期に指摘されていた、ファイルのダウンロードは地理的に近いサーバを選択すべき、といった考え方は通信回線の高速化やCDNの普及、FTPの衰退などにより無効化している。