エコーチェンバー現象 【echo chamber】 エコーチャンバー現象

概要

エコーチェンバー現象(echo chamber)とは、似たような考えや価値観を持つ人々が集まり、その中で情報のやり取りやコミュニケーションが完結してしまうこと。また、そのような閉じた集団内でのコミュニケーションを繰り返すことで、実際には偏っていたり誤っている見解が、世間一般において正しいと信じ込んでしまうこと。

自分と似た価値観や興味・関心の人との交流を求める者同士が集まり、集団内で同じような立場や思想に基づく発言を互いに聞かせ合うことで、もとから持っていた信念がより強化され、時として過激化してしまう。異なる立場からの意見や外部からの情報も入らなくなり、デマや根拠のない情報も訂正されずに集団内では正しい扱いのままとなる。

このような現象自体は、政党や宗教団体など思想を同じくする組織や、同じ新聞や雑誌を購読している集団などで以前から見られたものだが、インターネットの登場と発展により、明確な共通点を持たない集団や、互いに素性を知らない匿名の利用者の間でも見られるようになっている。

特に、SNSなどのソーシャルメディアでは、自分の好きな相手だけを「フォロー」して発言を受信したり、サービス側が運用するアルゴリズムによって利用者が好みそうな相手や内容を頻繁に表示するといった仕組みが組み込まれているため、利用者自身も無自覚なまま、いつの間にかエコーチェンバーに取り込まれて極端な思想や誤情報を信じ込んでしまうという現象が発生している。

(2025.8.4更新)

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