ボトムアップテスト 【bottom-up testing】
概要
ボトムアップテスト(bottom-up testing)とは、ソフトウェアやシステムのテスト手法の一つで、下位のモジュールから順に結合しながら動作を検証していく方式。複数のモジュール(部品)を組み合わせてソフトウェアなどを開発する場合、問題の発生箇所を特定しやすくするため、いきなりすべてを繋いで一気に調べるのではなく、少しずつ追加していきながら何度も繰り返し試験する「結合テスト」がよく用いられる。
その際、「ドライバ」(driver/テストドライバとも)と呼ばれるダミーの上位側(呼び出し側)のモジュールを用意し、下位モジュールから順に結合してテストする方式をボトムアップテストという。下位モジュールに問題が見つからなければ、ドライバを本物の上位モジュールに置き換えて再びテストが行われる。同じ手順を何段階も繰り返し、下位側から上位側へ順番にテスト対象を広げていく。
最下位のモジュールからテストしていくため、一般的な開発手法ではプログラミングと並行してテストを実施しやすいが、上位側のテストは手薄になりがちで、システムの中核部分や全体の連携などに潜在する問題を十分に洗い出せないこともある。
一方、上位モジュールから順に結合しながらテストを繰り返す手法を「トップダウンテスト」、上位側と下位側から同時に結合していく手法を「サンドイッチテスト」(折衷テスト)、全モジュールの完成後にすべて結合して一気にテストする手法を「ビッグバンテスト」という。
(2018.8.29更新)