ドライラン【dry run】

概要

ドライランとは、予行演習、空運転、リハーサルなどの意味を持つ英単語。本番に備えて同じ内容を実際に行ってみることを指す。IT分野では、何らかのまとまった処理や操作を行う前に、練習用の特別な環境を用意して実際に手順がうまく実施できるか確認することを意味する。
ドライランのイメージ画像

もともと航空や軍事の分野で使われていた言葉で、燃料や弾薬を使わずに訓練を行うことを指していた。IT分野では、コマンドスクリプトデプロイ作業などを「実行はしないが、実行したとしたらどうなるか」を確認する操作全般を指す。日本語では「模擬実行」「試験実行」などと訳されることもある。

コマンドラインツールやインフラ管理ツールでは、「--dry-run」のような専用のオプションが用意されていることが多い。例えば、Linuxrsyncコマンドでは「-n」オプションを付けることで、実際のファイル転送を行わずに、どのファイルが操作されるかを確認できる。TerraformAnsibleといったインフラ自動化ツールでも同様の機能が備わっており、設定変更を本番環境に適用する前に影響範囲を把握することができる。

CI/CDパイプラインデプロイ作業においても、ドライランは安全確認の手段として行われる。コードの変更が本番環境に与える影響を事前に検証することで、予期しない障害や設定ミスによるサービス停止を未然に防ぐことができる。特に、複数のシステムが連携している環境では、一つの変更が広範な影響を及ぼす可能性があるため、事前検証の意義は大きい。

ドライランはあくまでも「本番と同等の処理を模倣する」ものであり、実際の環境と完全に一致した結果が得られるとは限らない。ネットワークの状態やリアルタイムのデータに依存する処理では、ドライラン時と本番実行時で挙動が異なることがある。ドライランの結果を過信せず、あくまで参考情報として活用する姿勢が求められる。

(2026.4.15更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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