ペアワイズ法【pairwise testing】オールペア法/all-pairs testing

概要

ペアワイズ法とは組み合わせテストの技法の一つで、任意の2つの因子のすべてのペアについて水準の組み合わせを網羅するようにテストケースを構成する手法。全因子の組み合わせを列挙する場合と比べ、テストケース数を大幅に削減しながら効率的な検証を実現できる。
ペアワイズ法のイメージ画像

ソフトウェアテストでは、複数の因子(パラメータや設定項目など)を持つテスト対象について、各因子の水準(値や選択肢など)の組み合わせを網羅的に検査する必要がある。因子が10個でそれぞれ3水準を持つ場合、全組み合わせは3の10乗、すなわち約6万通りにのぼる。因子や水準の数が増えるにつれてテストケース数は指数関数的に増大し、現実的な工数では実施が困難になる。

ペアワイズ法はこの問題に対し、「任意の2因子の組み合わせが少なくとも1回は現れる」という条件でテストケースを構成する。どの2つの因子の組み合わせも必ずいずれかのテストケースで検証されることが保証され、全組み合わせ網羅と比べてテストケース数を何桁も削減できる。

この手法の根拠となるのは、「ソフトウェアの不具合は1つまたは2つの因子の相互作用によって引き起こされることが多い」という経験則である。3つ以上の因子が複合した場合にのみ顕在化する不具合は相対的に少なく、ペアワイズ法でも実用上の高い検出率が得られるとされる。全数テストと比べて数十分の一から数百分の一のテスト回数で済むため、開発期間が限られる場合や動作環境のバリエーションが多いシステムの検証において、網羅性と効率性を両立する手段として用いられる。

テストケースの生成には、直交表や貪欲法に基づくアルゴリズムを用いた専用ツールによる自動生成が一般的である。代表的なツールとして米マイクロソフト(Microsoft)製の「PICT」(Pairwise Independent Combinatorial Testing)などがある。一般化された手法として、3因子以上の組み合わせまで対象とする「Nワイズ法」(N-wise testing)あるいは「tワイズ法」(t-wise testing)も存在し、ペアワイズ法はN=2(またはt=2)の特殊な場合に位置付けられる。

(2026.6.16更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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