Java EE 【Java Platform, Enterprise Edition】 J2EE / Java 2 Enterprise Edition
概要
Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)とは、プログラミング言語「Java」におけるAPIなどの機能セットの標準の一つで、サーバ向けや大規模システム向けの高度な機能をまとめたもの。標準機能セットのJava SE(Standard Edition)の拡張として提供される。Javaでプログラミングを行う際に言語処理系が提供する機能を呼び出す規約(API)のセットなどが定義されている。Java言語自体の仕様や基本的なAPIについてはJava SEに規定されたものをそのまま使用する。
主にWebアプリケーション構築や大規模開発のための機能が定義され、EJB(Enterprise JavaBeans)、Javaサーブレット(Java Servlet)、JSP(JavaServer Pages)、JSF(JavaServer Faces)、JNDI(Java Naming and Directory Interface)、JTA(Java Transaction API)、CDI(Contexts and Dependency Injection)、EL式などの仕様が規定されている。
開発元の米オラクル(Oracle)社ではJava EEの仕様に準拠した標準の開発環境(Java EE SDK)を配布しているほか、著名な統合開発環境(IDE)の多くが標準で対応している。実行環境としてはJava自体を実行するためのJava仮想マシン(JVM)とJava EEの実装が必要で、Java EE拡張部分についてはアプリケーションサーバの形で提供されるのが一般的である。
Javaの機能セットの標準としてはJava EE以外に、標準の機能セットを定義した「Java SE」(Java Platform, Standard Edition)、スマートフォンなど携帯情報機器やデジタル家電、組み込み機器向けの機能をまとめた「Java ME」(Java Platform, Micro Edition)などがある。
このような対象ごとに異なる機能セットはJava 2で初めて導入されたため、当初は「J2EE」(Java 2 Enterprise Edition)と呼ばれていたが、バージョン6以降はJava 2の名称が廃止されJavaに戻ったため、これに合わせて「Java EE」と呼ばれるようになっている。
同社はバージョン9以降のJava EEについては非営利団体のEclipse Foundationに移管してオープンソース化し、「Jakarta EE」の名称で公開している。「Java EE」の商標については以降も同社が保有し続けている。