全角英数字 【full-width alphanumeric characters】
概要
全角英数字(full-width alphanumeric characters)とは、コンピュータが扱う文字の分類の一つで、(等幅フォントで表示・印刷した際に)幅と高さが等しい正方形の領域に収まる形の英字(a~z、A~Z)や数字(0~9)のこと。いわゆる全角文字として規定されている英字や数字で、半角記号を全角化した「!」「+」なども含める場合がある。高さに対して幅が半分程度の、いわゆる半角英数字(「a」「A」「1」など)とはシステム上は別の文字として区別される。
全角文字は歴史的に日本語の文字コード体系(JIS漢字コードなど)に由来する文字種で、全角英数字以外にも「あ」「ア」などの仮名文字、「漢」などの漢字、「Д」「α」などのキリル文字やギリシャ文字、「◇」「※」など(半角文字に対応する文字がない独自)の記号文字、「┬」などの罫線が含まれる。
コンピュータ上では日本語入力システム(IME)をオンにして、入力モードを「全角英数」に設定した上で、数字や英字のキーを打鍵(あるいは画面上でタップ)すれば入力できる。日本語のローマ字入力で文字を入力後、「全角英数字に変換」操作(WindowsのF9キーなど)を行っても良い。
全角英数字と半角英数字は人間にとっては同じ文字で幅や字形が異なるだけだが、コンピュータ内部では異なる文字コードが割り当てられた異なる文字として認識される。識別符号やパスワードは一般に半角英数字しか受け付けないことが多いため、誤って全角英数字で入力しないよう入力モードなどに気をつける必要がある。
全角英数字はもともと日本語の文字コード独自の文字で、かつては日本語環境以外では認識や表示ができなかったが、各国の様々な文字を収録した統一規格の「Unicode」(ユニコード)では、全角の各文字を「FULLWIDTH ○○」(○○は文字の名称)として収録しており、Unicode対応のフォントなどを使えば日本語環境に限らず使用できるようになっている。
(2023.4.26更新)