RLO 【Right-to-Left Override】

概要

RLO(Right-to-Left Override)とは、Unicodeで定義されている制御文字の一つで、横書きの文字の流れを「右から左」に変更するもの。

10進数では8238番、16進数では202E(U+202E)で表される制御コードで、日本語や英語など、通常は左から右に文字が流れる文書中にこのコードを記載すると、以降の文字の流れをアラビア語のように「右から左」へと変更することができる。

Windowsなどではファイル名にもUnicodeが使えるため、英語や日本語など「左から右」文化圏で、ウイルスファイルのファイル名の拡張子を偽装するのに悪用されたことがある。

例えば、「お見積り.[RLO]xcod.exe」という名前の実行ファイル([RLO]は実際には不可視)は、画面上に「お見積り.exe.docx」のように表示され、Microsoft Word形式の文書ファイルのように見える。

UnicodeではRLOとは逆に「左から右」に変更する「LRO」(Left-to-Right Override/U+202D)や、本来の方向に戻す「PDF」(Pop Directional Formatting/U+202C)なども用意されている。

(2020.2.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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