読み方 : ちょさくけん

著作権 【copyright】 コピーライト

概要

著作権(copyright)とは、知的財産権の一種で、思想や感情を創作的に表現した者がその表現の利用を独占できる権利。日本では表現を創作した時点で自然に発生し、作者の死後70年後まで認められる。

解説 著作権法では対象となる著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と規定しており、小説や随筆、論文、絵画、写真、図形、立体造形物、建築、音楽、映画、コンピュータプログラムなどがこれに該当する。

新聞や雑誌、辞書などは要素の選択や配列といった編集に創作性が認められ、編集著作物として保護される。データベースについても、情報の選択や体系的な構成が創作性を有する場合の保護の対象となる。いずれも、書かれている事実や情報そのものは保護されない。

保護されないもの

思想や感情ではない単なるデータや、創作性に乏しい他人の作品のコピー、誰が書いても同じになるような定型文書、文芸・学術・美術・音楽に含まれない日用品や工業製品、法令や判決文、行政機関などの発行する通達等の文書などは保護されない。

また、アイデア、概念、方法論といった思索の成果物については、これを記した具体的な著作物の表現は保護されるが、アイデアそれ自体は著作権法では保護されない。ただし、著作権の対象でなくても、発明であれば特許権、登録商標であれば商標権、工業製品のデザインであれば意匠権、事業上の機密情報であれば営業秘密など、他の法制度で権利が保護される場合はある。

著作者の権利

著作者に認められる権利はいくつかあり、大別すると、著作者の人格的利益を保護する「著作者人格権」、著作物の利用を独占的に制御することを認める「著作財産権」(狭義の著作権)に分かれる。また、音楽などの場合には著作者以外にも実演家やレコード製作者、放送事業者などに「著作隣接権」が発生する。

人格権には公表権、氏名表示件、同一性保持権などが含まれる。財産権には、複製権、上演権、公衆送信権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権、翻案権、二次的著作物の利用についての権利などが含まれる。

音楽の実演家などには、著作隣接権として、その実演についての同一性保持権や録音権、放送権、送信可能化権、譲渡権、貸与権などが認められる。実演を録音した音源(レコード)の製作者に認められる著作隣接権を合わせて「原盤権」と総称する場合がある。

(2025.8.25更新)

他の用語辞典による「著作権」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「著作権」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令7 問30】 著作権に関して,次の記述中の a,b に入れる字句の適切な組合せはどれか。[ a ] は著作権法による保護の対象になるが,[ b ] は対象にならない。
令5 問2】 次の a〜c のうち、著作権法によって定められた著作物に該当するものだけを全て挙げたものはどれか。a 原稿なしで話した講演の録音b 時刻表に掲載されたバスの到着時刻c 創造性の高い技術の発明。
令4 問1】 著作権及び特許権に関する記述 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。a 偶然二つの同じようなものが生み出された場合、発明に伴う特許権は両方に認められるが、著作権は一方の著作者にだけ認められる。
令3 問7】 著作権法によって保護の対象と成り得るものだけを、全て挙げたものはどれか。a インターネットに公開されたフリーソフトウェアb データベースの操作マニュアルc プログラム言語d プログラムのアルゴリズム。
令2秋 問12】 A社では、設計までをA社で行ったプログラムの開発を、請負契約に基づきB社に委託して行う形態と、B社から派遣契約に基づき派遣されたC氏が行う形態を比較検討している。
平30春 問10】 著作権物の使用事例のうち、著作権を侵害する恐れのある行為はどれか。
平29秋 問28】 著作権の説明と保護の対象に関して、次の記述中の a、b に入れる軸の適切な組み合せはどれか。著作権は、[  a  ] に関する著作者の権利であり、[  b  ] は保護の対象ではない。
平28秋 問23】 特段の取決めをしないで、A社がB社にソフトウェア開発を委託した場合、ソフトウェアの著作権の保有先として、適切なものはどれか。
平27秋 問1】 著作者の権利である著作権が発生するのはどの時点か。
平26秋 問6】 ソフトウェアパッケージに添付した取扱説明書の内容を保護する権利はどれか。
平25秋 問1】 A社では新たなシステムの開発を予定している。そのシステムの著作権をA社に帰属させるために必要なことだけを全て挙げたものはどれか。
平25春 問13】 著作権の帰属に関する説明のうち、適切なものはどれか。ここで、著作権に関する特段の契約や取決めはないものとする。
平24秋 問24】 ソフトウェアの開発を外部ベンダに委託する。委託契約において特段の取決めがない場合、このソフトウェアの知的財産としての権利の帰属を規定している法律はどれか。
平24春 問29】 知的財産権のうち、特許庁が定める産業財産権に属さない権利はどれか。
平23秋 問4】 コンピュータプログラムに関する著作権の説明として、最も適切なものはどれか。
平23春 問1】 コンピュータプログラムの開発や作成に関する行為のうち、著作権侵害となるものはどれか。
平21春 問15】 知的財産権のうち、権利の発生のために申請や登録の手続を必要としないものはどれか。

▼ 基本情報技術者試験
令5修6 問60】 A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを,協力会社であるC社に委託した。
令3修1 問79】 A社は,B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成をB社に委託した。
令1修6 問79】 A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを,協力会社であるC社に委託した。
平30春 問79】 A社は,B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成をB社に委託した。
平30修1 問79】 A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを,協力会社であるC社に委託した。
平29修6 問79】 特に取決めのない場合,労働者派遣契約によって派遣された派遣労働者が,派遣先企業の指示の下に開発したプログラムの著作権の帰属先はどれか。
平28修12 問79】 A社は,B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成をB社に委託した。
平28春 問80】 A社がシステム開発を行うに当たり,外部業者であるB社を利用する場合の契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平27修1 問79】 A社がシステム開発を行うに当たり,外部業者B社を利用する場合の契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平25修12 問77】 インターネットを利用したWebページの知的財産権に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平25秋 問78】 A社は,B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成をB社に委託した。
平25修6 問78】 A社がシステム開発を行うに当たり,外部業者であるB社を利用する場合の契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平24修12 問79】 個人の著作物の保護期間が終了するのは,著作者の死後何年経過したときか。(注:出題は2012年)。
平24修1 問77】 A社がシステム開発を行うに当たり,外部業者B社を利用する場合の契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平23修12 問78】 A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,設計・プログラミング・テストまでを協力会社であるC社に委託した。
平22秋 問79】 A社がシステム開発を行うに当たり,外部業者B社を利用する場合の契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平22修6 問78】 個人の著作物の保護期間が終了するのは,著作者の死後何年経過したときか。(注:出題は2010年)。
平22春 問78】 A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,設計・プログラミング・テストまでを協力会社であるC社に委託した。