Squid
ネットワーク境界などでクライアントからの通信を中継してサーバへのアクセスを代行するプロキシとして動作するソフトウェアである。様々なプロトコル(通信規約)に対応しており、Webのファイル転送に用いられるHTTPや、HTTPと暗号化プロトコルのSSL/TLSを組み合わせたHTTPS、FTPなどの通信を中継することができる。
HTTPプロキシとして利用されることが最も多く、組織内ネットワークからインターネットへのWebアクセスを中継する用途でよく用いられる。接続を受け付けるIPアドレスの範囲を設定したり、利用者の認証を行うなどして利用制限を行ったり、Webブラウザで設定画面にアクセスしたり、通信速度の上限を設定するなど帯域制御を行う機能もある。
サーバからクライアントへ送られるデータを一時的に保管し、次に同じデータにアクセスがあった際に代理で送信するキャッシュ機能があり、通信回線の帯域幅を節約することができる。サーバ側に設置することでリバースプロキシとして動作させることもでき、特定のWebサーバへの外部からの通信を中継し、キャッシュしたデータをサーバに代わって送信することによりサーバの負荷を軽減することができる。
SquidはGPL(GNU General Public License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されており、誰でも自由に入手、利用、改変、再配布などすることができる。様々な環境に対応しているが、主にLinuxなどのUNIX系OSで使用される。1996年に最初のバージョンが公開され、長年に渡りHTTPプロキシサーバの標準的な存在として広く普及している。
(2024.1.10更新)