公開プロキシ 【open proxy】 オープンプロキシ
概要
公開プロキシ(open proxy)とは、Webプロキシ(HTTPプロキシ)の運用形態の一つで、ネットワーク境界ではなくインターネット上に設置され、ネット上のコンピュータ間の接続を中継するもの。あるコンピュータから別のコンピュータへの通信を中継し、接続元の代理として振る舞うシステムを「プロキシ」(proxy)という。通常は組織の内部ネットワーク(LAN)とインターネットなどの境界に置かれ、外部に直接接続できない内部のコンピュータが外部に接続するための中継機器として利用される。
公開プロキシはインターネット上で運用されるプロキシで、インターネット上のクライアントからサーバへの接続を取り次ぐ。経由すると接続元が公開プロキシサーバのIPアドレスとなるため、接続先に自らのIPアドレスを秘匿したい場合や、接続元の国・地域・組織などを変更したい場合などに利用されることが多い。
プロキシの実装や設定により、接続元の情報を接続先に何も通知しない「匿名プロキシ」(anonymous proxy)と、HTTPヘッダ(サーバのHTTP環境変数)などを通じて一定の情報を通知する「非匿名プロキシ」に分かれる。匿名プロキシも自身は接続元のクライアントの情報を取得でき、ログなどの形で記録していることが多い。
日本では「串」という隠語で呼ばれることもあり、公開プロキシを経由してアクセスすることを「串を刺す」などという。電子掲示板(BBS)への妨害行為(荒らし)などに悪用されることもあるため、公開プロキシからの接続を拒否したり制限しているサイトやサービスもある。
(2022.5.7更新)