.htpasswd

概要

.htpasswdとは、HTTPBasic認証うためのユーザー名とパスワードリスト。最も普及しているWebサーバソフトApacheで用いられるもので、他にいくつかのWebサーバも対応している。

Webコンテンツの伝送に用いられるHTTPHypertext Transfer Protocol)には、閲覧者を認証して利用権限のある者だけにアクセスを許可する仕組みがある。いくつかの認証方式があるが、.htpasswdは最も基本的なBasic認証で用いられる設定ファイルの一つである。

.htpasswdにはアクセスを許可するユーザーIDパスワードを1に1人ずつ記述する。各行は「ユーザーID:パスワード」という書式で、パスワードハッシュ関数ハッシュ値に変換された後の文字列で記載されており、盗み見してもパスワード自体を知ることはできない。

パスワードの先頭には「$apr1$」のような接頭辞がついていることがある。これはハッシュ化に用いたハッシュ関数の種類を表しており、何もなければ古いUNIX系OSにあるcrypt関数、「$apr1$」はMD5、「{SHA}」はSHA-1、「$2y$05$」はbcrypt関数(「05」はストレッチング回数を表しシステム設定により異なる)をそれぞれ表している。

Basic認証で保護された領域にアクセスすると認証ダイアログが表示され、ユーザーIDパスワード入力して.htpasswdに記録された内容に一致すればアクセスが許可される。また、「http://ユーザーID:パスワード@ホスト名/」という形式のURLを用いることで自動的に認証を実施させることができる。

Basic認証ユーザーIDパスワード暗号化ハッシュ化せず平文のそのまま送受信する。SSL/TLSなどで伝送路全体を保護しているのでない限り、インターネットのような安全が保証されていないネットワークを通じて利用するのは現代では推奨されない。

(2023.3.2更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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