Akamai【アカマイ】
概要

世界200以上の国と地域に数十万台規模のサーバを配置し、顧客のWebサイトから配信されるコンテンツの複製(キャッシュ)を各地のサーバに保持する仕組みを構築している。利用者に地理的に近いサーバが代理応答することで、通信の負荷を分散しつつ配信を高速化する。
こうした分散型の配信基盤は現在では「CDN」(Content Delivery Network)と呼ばれ、専業企業や大手ネット事業者各社が同様のサービスを提供している。Akamaiはこの分野で最も古い歴史を持つ企業の一つで、専業としては現在も世界的な大手の一角を占める。日米をはじめ世界各国の大手メディア企業や大手EC事業者、行政機関、金融機関など様々な組織を顧客に持つ。CDN機能とセキュリティ機能を組み合わせ、コンテンツ配信と同時に悪意ある通信を検知・遮断する用途にも利用されている。
現在ではCDN専業ではなく、DDoS攻撃対策やWebアプリケーション保護などのセキュリティ事業、およびクラウドインフラサービスへと事業領域を広げており、セキュリティ事業が売上の約半分を占めるようになっている。2025年にはセキュリティ事業強化のためイスラエルLayerX Security社を買収している。エッジコンピューティングやAI向けインフラへの展開も進めており、AI推論を利用者に近い場所で実行する分散型のクラウド基盤にも注力している。
同社は1998年、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授であったトム・レイトン(Frank Thomson Leighton)氏と、同大学院生だったダニエル・ルウィン(Daniel Lewin)氏らを中心に設立された。当時、インターネット上のアクセス集中による回線混雑(輻輳)は解決が困難な課題とされていたが、レイトン氏らはコンテンツを多数のサーバに複製し、利用者に適した経路へ動的に振り分けるアルゴリズムを開発し、現実的かつ事業として成立する解決策として大きな注目を集めた。商用サービスは1999年に開始されている。社名の由来である “akamai” は、ハワイ語で「知的な」「賢い」などを意味する言葉とされている。