フットプリンティング【footprinting】
概要

サイバー攻撃の最も初期の段階で行われる偵察行動がフットプリンティングである。本格的な不正アクセスを試みる前に、標的とするネットワークやコンピュータ、Webサイトについて、攻撃にならない範囲の活動で情報を集め、侵入の足掛かりとなる手がかりを探る。
調査の対象は標的や攻撃の種類によって異なる。使用しているドメイン名やIPアドレス、外部からアクセス可能なポート番号、稼働しているオペレーティングシステム(OS)や各種サーバソフトウェアの種類とバージョン、Webサイトのディレクトリ構成や非公開ページの存在などが典型的な調査項目となる。
情報収集の手段としては、Web検索エンジンやWHOISデータベース、DNSの登録情報を利用する方法がある。対象のネットワークやサーバに攻撃とはみなされない範囲でアクセスを試み、応答内容からソフトウェアの種類やバージョンを特定する手法も用いられる。近年では、組織の公式発表や従業員によるSNSの投稿、ソースコード共有サービスなど、技術情報以外の公開情報から組織内部の環境を推測する手法も重視されている。
このような事前調査によって、外部からの遠隔操作を可能にする脆弱性が存在することが知られているソフトウェアが、修正パッチを適用されないまま運用されているといった情報が判明することがある。攻撃者はこうした情報を分析し、どの欠陥を突けば侵入できるかという具体的な攻撃計画を立案する。フットプリンティング自体は破壊活動や情報の窃盗を伴わないが、その後の一連の攻撃過程の出発点となる。
セキュリティ対策の場面でも、攻撃者が利用できる情報を確かめるためにフットプリンティングを実施する場合がある。ペネトレーションテストやレッドチーム演習などの手法では、自社のシステムに対して実際の攻撃者と同様の手法で外部公開情報や応答状況を調査し、どのような攻撃が可能かを検討する。これにより、不要な情報公開や設定の不備といった、攻撃に利用されうる手掛かりをあらかじめ発見し、対策を講じることが可能になる。