ハクティビズム 【hacktivism】
概要
ハクティビズム(hacktivism)とは、「ハック」(hack)と「アクティビズム」(activism)の造語で、何らかの政治的な目的に基づく活動の一環としてハッキングを行うこと。そのような活動家を「ハクティビスト」(hacktivist)という。「ハック」あるいは「ハッキング」(hacking)とは元来、コンピュータプログラムや通信ネットワークなどの動作を解析したり、創造的な改造や拡張を行うことを意味するが、高度な知識・技能を悪用してソフトウェアの不正改造やサイバー攻撃などを行うことを指す場合もある。
ハクティビズムはそうしたハッキング行為を、社会問題や政治的な課題に対する積極行動主義(アクティビズム)に基づいて行うことを指す。例えば、言論の自由を追求するため、国家機関による検閲を回避する匿名性の高い通信ソフトウェアを開発・配布するといった活動が該当する。
ハッキングが攻撃的な活動を含む(悪事は「クラッキング」と呼んで区別すべきとする主張もある)ように、ハクティビズムもまた、政治的な宣伝や抗議のために、標的となった機関のWebサイトの改竄やDDoS攻撃による機能停止、機密情報の奪取や公開といったサイバー攻撃に及ぶ場合がある。
著名なハクティビズムプロジェクトやグループとしては、1990年代後半に「ハクティビズム」の語を提唱したともされる「カルトオブザデッドカウ」(cDc:Cult of the Dead Cow)、国家や大企業の機密情報を暴いて公開する「ウィキリークス」(WikiLeaks)、自由や権利を抑圧する者に対する抵抗を謳い国家や企業にサイバー攻撃を繰り返す匿名集団「アノニマス」(Anonymous)などがある。
(2023.9.14更新)