412エラー 【HTTP 412 Precondition Failed】

概要

412エラー(HTTP 412 Precondition Failed)とは、Webサーバで起きるエラーの種類の一つで、クライアントのリクエストで指定された条件が満たされていないため処理が実行できなかったことを表すもの。編集衝突などが生じた場合に用いられる。

WebサーバとWebブラウザなどのクライアントの間ではHTTPHypertext Transfer Protocol)という通信規約(プロトコル)でデータ伝送を行っている。クライアントからの要求(リクエスト)に対してサーバは応答(レスポンス)を返すが、その際に現在の状態を示すHTTPステータスコードを通知する。

ステータスコードの400番台はクライアントに起因するエラーを表しており、412番のエラーメッセージは “Precondition Failed” (前提条件が満たされていない)である。クライアントがPUTメソッドPOSTメソッドなどで資源を書き換えようした際に、他のクライアントによってすでに上書きされていることが分かった場合などに返される。

Webアプリケーションでサーバ上のコンテンツを編集、書き換えできるようになっている場合、クライアントはコンテンツのバージョンを表す「ETag」などを用いて、サーバに前回自らが取得したときから変更が行われていないか問い合わせることができる。

クライアントからのコンテンツ上書きリクエスト中でIf-Unmodified-SinceヘッダやIf-None-Matchヘッダによる変更確認が行われた場合に、他のクライアントが先に上書きしてしまってETagが一致しなくなっている場合に412エラーが送信される。別のクライアントによる変更を上書きして消してしまう編集競合を防ぐことができる。

(2024.8.23更新)

HTTPステータスコード一覧

*1 302はHTTP/1.0では「Moved Temporarily」だった。
*2 413はHTTP/1.1では「Request Entity Too Long」、RFC 7231では「Payload Too Long」だった。
*3 414はHTTP/1.1では「Request-URI Too Long」だった。
*4 416はHTTP/1.1では「Requested Range Not Satisfiable」だった。
*5 418は1998年エイプリルフールのジョークRFC 2324で「I'm a teapot」として定義されていた。