WCF 【Windows Communication Foundation】
概要
WCF(Windows Communication Foundation)とは、.NET Frameworkの提供する機能の一つで、ネットワークを介して異なるコンピュータで動作するソフトウェア間が通信することができるもの。.NET Framework 3.0で新たに実装されたもので、Windowsアプリケーション間の通信などに利用できる。サービス指向アーキテクチャ(SOA:Service Oriented Architecture)を実装するための基盤となるシステムで、サーバが提供するサービスにクライアントがアクセスする手段を提供する。
交換するデータの形式はWebサービス標準のSOAPに準拠した形式となっており、SOAPに対応した外部のシステムともメッセージを交換することができる。「WS-*」と表記される各種のWebサービス標準(WS-AddressingやWS-Securityなど)も実装されている。
通信方式としてTCP、HTTP、名前付きパイプ(named pipe)、MSMQ(Microsoft Message Queue)などを利用することができ、同じコンピュータ内のアプリケーション間では名前付きパイプを、異なるコンピュータ間ではTCPを、非WCFシステムとの接続にはHTTPを、といったように使い分けることができる。
WCFによる通信を行うためには、サービスの提供元やメッセージの宛先となる「アドレス」(Address)、通信方式やデータ形式の組み合わせを規定した「バインディング」(Binding)、サービスの内容や利用方法を記述した「コントラクト」(Contract)の3つの要素を定義する必要がある。この3要素を、それぞれの頭文字を合わせて「ABC」と呼ぶことがある。
(2023.3.29更新)