CCライセンス 【Creative Commons license】 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
概要
CCライセンス(Creative Commons license)とは、クリエイティブ・コモンズが発行している、著作物の取り扱いをインターネット上で明示的に表示する利用許諾方式(ライセンスシステム)。著作権の一部のみの留保を宣言することができる。著作物の自由な利用や流通を促進する米国の非営利団体「クリエイティブ・コモンズ」(CC:Creative Commons)が提唱しているガイドラインで、法律や技術に関する専門的な知識がなくても、簡単な4つのアイコンを選択し、組み合わせることで誰でも自分の創造物(原著作物)を自由に、自分の好きな条件でインターネットを通じて世界に発信することができる。
アイコン | 意味 | 略号 | 説明 |
---|---|---|---|
表示 | BY (attribution) | 原著作者の表示(CC2.0以降では必須) | |
非営利 | NC (noncommercial) | 非営利での利用に限定 | |
改変禁止 | ND (no derivative works) | 作品の改変を禁止 | |
継承 | SA (share alike) | 派生作品に元のライセンスを継承 | |
サンプリング | SAMPLING+(sampling plus) | サンプリング、マッシュアップ等してよい | |
著作権無し | PD (public domain) | 著作権が切れたか発生していない | |
著作権放棄 | CC0 (no copyright) | CC0に従って著作権の主張を永久に放棄 |
CCライセンスの基本となる4つのアイコンは、原著作者のクレジットを表示を義務付ける「表示」(BY:Attribution)アイコン、原著作物を改変した場合、原著作物と同じ条件下で頒布することを許可する「継承」(SA:Share Alike)アイコン、原著作物の改変を禁止する「改変禁止」(ND:No Derrivative Works)アイコン、原著作物の営利目的での使用を禁止する「非営利」(Non-Commercial)アイコンで構成される。
日本ではこれらの4つのアイコンを日本の著作権法にあわせた6パターンの「日本法準拠版ライセンス」が用意されており、その組み合わせは「表示」(CC BY)、「表示・継承」(CC BY-SA)、「表示・改変禁止」(CC BY-ND)、「表示・非営利」(CC BY-NC)、「表示・非営利・継承」、(CC BY-NC-SA)、「表示・非営利-改変禁止」(CC BY-NC-ND)となっている。
アイコン | ライセンスの種類 | 作者 表示 |
商用 利用 |
改変 | 条件 継承 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
CC BY | 表示 | 必須 | 可 | 可 | 任意 | ||
CC BY-NC | 表示-非営利 | 必須 | 不可 | 可 | 任意 | ||
CC BY-SA | 表示-継承 | 必須 | 可 | 可 | 必須 | ||
CC BY-NC-SA | 表示-非営利-継承 | 必須 | 不可 | 可 | 必須 | ||
CC BY-ND | 表示-改変禁止 | 必須 | 可 | 不可 | 任意 | ||
CC BY-NC-ND | 表示-非営利-改変禁止 | 必須 | 不可 | 不可 | 任意 | ||
CC SAMPLING+ | サンプリング | 必須 | 可 | 可 | 任意 | ||
CC NC-SAMPLING+ | 非営利-サンプリング | 必須 | 不可 | 可 | 任意 | ||
CC ZERO | 著作権放棄 | 任意 | 可 | 可 | 任意 |
CCライセンスは多くの情報があふれるインターネットにおいて創造者が創造物の取り扱いを明確にすることで、創造者の著作権を保護しつつ広く創造物を有効利用することを目的としている。CCライセンス自体は法律ではなく、著作権法に基づいた著作物の取り扱いを著作者の意思として明示するものである。CCライセンスの表示は義務ではなく、あくまで著作者の意思に委ねられている。