ウイルス作成罪 【不正指令電磁的記録に関する罪】

概要

ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録に関する罪)とは、日本の刑法に規定された罪の一つで、コンピュータウイルスなどのマルウェアを開発・配布する行為。2011年の刑法改正で新設された。

一般に「ウイルス作成罪」と通称されるが、法律上の名称は「不正指令電磁的記録に関する罪」で、ウイルスに相当する不正なコンピュータプログラムの「作成・提供」と「供用」(相手に実行させること)、(誰かに使用する目的での)「取得・保管」のそれぞれについて罰則が規定されている。

対象となるウイルスについて「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」と規定しており、狭義のウイルスだけでなくワームトロイの木馬などマルウェア全般が含まれる。

また、「不正な指令を記述した電磁的記録」という規定もあり、実行形式プログラムだけでなくソースコードも対象となる。ウイルスの作成・提供・供用には3年以下の懲役または50万円以下の罰金、取得・保管には2年以下の懲役または30万円以下の罰金が課される。

(2024.5.22更新)

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試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平31春 問24
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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