SNMPコミュニティ名 【SNMP community name】 SNMPコミュニティストリング

概要

SNMPコミュニティ名(SNMP community name)とは、SNMPで管理対象の機器のグループを表す名前。複数のSNMPエージェントを「SNMPコミュニティ」という単位でまとめ、どのSNMPマネージャがどのような権限で管理できるかを設定することができる。

SNMPSimple Network Management Protocol)では管理者の操作する管理用コンピュータなどに導入されたSNMPマネージャが、ネットワーク上の通信機器などに導入されたSNMPエージェントを通じて情報を収集し、機器の状態の監視や遠隔からの管理、操作などを行うことができる。

マネージャとエージェントは「コミュニティ」というグループに属し、エージェントは同じコミュニティに属するマネージャからの管理しか受け付けないようになっている。コミュニティの識別に用いられる名前がSNMPコミュニティ名で、管理者が任意に設定することができる。

エージェントもマネージャも複数のコミュニティに属することができ、マネージャは複数のコミュニティの機器を同時に監視・管理することができる。エージェントはコミュニティごとにマネージャに与える権限を指定することができ、「コミュニティAのマネージャは監視(MIBの読み取り)のみ許可」「コミュニティBのマネージャは監視と操作(MIBの書き込み)を許可」のように使い分けることができる。

マネージャは正しいコミュニティ名を指定しなければエージェントにアクセスできないため、これを簡易なパスワードのように利用し、攻撃者の持ち込んだ不正なSNMPマネージャがエージェントにアクセスするのを阻止するために用いることもある。ネットワーク機器のメーカーごとに「public」のようにデフォルトのコミュニティ名が決まっており、これを特に変更せず全体を一つのコミュニティとして運用する場合もある。

(2022.1.5更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。