.pcapファイル 【.pcap file】

概要

.pcapファイル(.pcap file)とは、パケットキャプチャツールが捕獲したパケットを時系列に記録するためのファイル形式pcapライブラリやこれを組み込んだキャプチャツールなどで利用できる。標準のファイル拡張子は「.pcap」。

パケットキャプチャツールコンピュータが接続されたネットワークを流れるパケットを受信して解析するソフトウェアで、ネットワークインターフェースの特殊な動作モードを利用して自分宛てや一斉配信ブロードキャスト)以外のパケットも捉えることができる。

.pcapファイルはキャプチャしたパケットデータを丸ごと記録するバイナリファイル形式で、受信したイーサネットフレームなどの先頭に受信日時(秒単位およびマイクロ秒単位)、キャプチャしたパケットの長、元の(送信時の)パケット長を付け加え、時系列に連ねて記録する。

.pcapファイルはキャプチャツールなどで読み込んで、特定の条件を指定して絞り込んだり、特定の通信に関連するものを検索することができる。先頭から単純にパケットの内容が並んでいる形式のため、あまり大量のパケットを記録すると読み込みや処理に時間がかかることがある。

フレームの内容を丸ごと収録するため、すべての階層の制御情報や伝送内容を調べることができる。例えば、イーサネットWi-FiなどのヘッダIPヘッダTCPUDPヘッダHTTPなどのアプリケーションプロトコルヘッダアプリケーションの伝送内容(ペイロード)を解析することができる。

人気のパケットキャプチャツールtcpdump」のキャプチャ処理部分をライブラリとして分離した「libpcap」を開発する際に策定されたファイル形式で、pcap形式のAPIに対応するライブラリアプリケーションの多くが採用している。ツールによって一部が異なる形式を用いる場合もある。

(2024.3.22更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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