NMS【Network Management System】
概要

ネットワーク上のルータやネットワークスイッチ、ファイアウォール、サーバ、無線LANアクセスポイントなどから構成や設定、稼働状況に関する情報を収集・記録し、通信量や障害の発生状況をリアルタイムで監視する。管理対象の機器数が増えるほど人手による個別管理は困難になるため、規模の大きなネットワーク環境ほど有用である。
主な機能として、通信量やCPU使用率などの統計情報をグラフや表で可視化する機能、異常や異常の予兆を検知した際に電子メールや通知サービスなどで管理者に知らせる機能などがある。遠隔から対象機器の設定変更や再起動を実行できるシステムもあり、障害の早期発見や復旧作業の迅速化に役立てられる。近年の製品ではダッシュボード上にネットワーク構成図や性能指標をリアルタイムで表示するものも多い。
ネットワーク機器の遠隔監視・管理に用いる標準プロトコルとして「SNMP」(Simple Network Management Protocol)が普及しており、単にNMSという場合はSNMPを利用したシステムを指すことが多い。SNMPでは、管理対象の機器側に「SNMPエージェント」と呼ばれるソフトウェアを常駐させ、NMS側の「SNMPマネージャ」がエージェントへ問い合わせを送ることで情報を取得する。機器側で異常が発生した際にエージェントからマネージャへ自発的に通知を送る「SNMPトラップ」という機能も定義されている。
収集した情報は蓄積され、障害発生時の原因調査だけでなく、将来的な回線増強や機器更新の計画にも活用される。近年では、クラウド環境や仮想化基盤、SDN(Software-Defined Networking)の普及に伴い、物理ネットワーク機器だけでなく仮想ネットワークやクラウドサービスを含めて統合的に管理するNMSも増えている。従来のSNMPに加え、APIや専用プロトコルを用いて、より詳細な運用データを収集する製品も登場している。