読み方:ダートマスかいぎ

ダートマス会議 【Dartmouth workshop】

概要

ダートマス会議(Dartmouth workshop)とは、1956年にコンピュータ科学者ジョン・マッカーシー(John McCarthy)が主催して開催された学術会議。史上初めて「AI」(Artificial Intelligence)という語が使われてことで知られる。
ダートマス会議のイメージ画像

マッカーシーが在籍していた米ダートマス大学で2か月に渡り開催された会議で、クロード・シャノン(Claude Shannon)、マービン・ミンスキー(Marvin Minsky)、ナサニエル・ロチェスター(Nathaniel Rochester)など、当時発明されたばかりのコンピュータや情報理論を研究する有力な科学者が集結した。

当時のコンピュータは数値計算を繰り返し実行する比較的単純な機械だった。マッカーシーらは汎用的な情報処理能力に着目し、これを発展させることで、思考したり知的なタスクを実行することができる、人間の知性を模倣した機械が作れるのではないかと考えた。

当時、知性と機械の関連についての研究は「サイバネティックス」(cybernetics)、「オートマトン」(automaton)など既にいくつか存在したが、マッカーシーら発起人は開催1年前の1955年8月に「A PROPOSAL FOR THE DARTMOUTH SUMMER RESEARCH PROJECT ON ARTIFICIAL INTELLIGENCE」(人工知能に関するダートマス夏季研究プロジェクトについての提案)という提案書を招待者に送付し、これが思考する機械を「Artificial Intelligence」と総称するようになった起源とされる。

提案書では議題を「自動計算」(Automatic Computers)、「自然言語処理」(How Can a Computer be Programmed to Use a Language)、「ニューラルネットワーク」(Neuron Nets)、「計算量理論」(Theory of the Size of a Calculation)、「自己改良」(Self-lmprovement)、「データの抽象化」(Abstractions)、「Randomness and Creativity」(ランダム性と創造性)の7つに定めており、このうちのいくつかは今日でも活発に研究されるトピックである。

(2025.9.3更新)

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