読み方:いみねっとわーく

意味ネットワーク 【semantic network】

概要

意味ネットワーク(semantic network)とは、人間の持つ知識を表現するモデルの一つで、概念間を意味に応じて繋げたネットワーク状の構造で表したもの。
意味ネットワークのイメージ画像

ネットワークの個々の節(ノード)が概念を表しており、概念を表す単語やフレーズのラベルを付与する。ノード間を結ぶ辺(リンク)が概念間の関係性を表しており、「~は~である」といった意味が与えられる。数学的なグラフ構造で表すことができるため「知識グラフ」とも呼ばれる。

概念や関係の種類は対象や目的によって異なる場合があるが、一般的には「~は~の一つである」という「is-a関係」と、「~は~を持つ」という「has-a関係」を中心に関係を記述する。「has-a関係」は矢印の向きを逆転させて「~は~の一部である」という「part-of関係」とする場合もある。

is-a関係は継承関係とも呼ばれ、上位概念が下位概念を含む状況を表すことができる。例えば、 [人間]─<is-a>→[哺乳類] と [哺乳類]─<is-a>→[動物] という2つのリンクから、推移律を適用して [人間]─<is-a>→[動物] という推論を行うことができるようになる。

has-a関係は「一部である」ことを表す関係で、概念同士が部分と全体の関係になっていることを示す。[日本国]─<has-a>→[東京都]、[太郎君]─<has-a>→[眼球] といった具合である。「部分である」という状態は実際には多様であるため、必ずしも推移律が適用可能とは限らない。[日本国]─<has-a>→[千代田区] は妥当だが、[4年2組]─<has-a>→[眼球] は誤った推論となる。

(2025.9.9更新)

人工知能の用語一覧