読み方:エーアイこうか

AI効果 【AI effect】

概要

AI効果(AI effect)とは、開発時や登場時には人工知能(AI)の一種であると認識されていた技術や製品が、社会に浸透し普通に使われるようになるに連れて人工知能扱いされなくなっていく現象。

人工知能とは人間の知的な行いを模倣することができるコンピュータプログラムのことだが、どのような知的作業をどの程度のレベルで再現することができるかは各時代の技術水準によって大きく異なっている。

歴史的に、その時代の技術水準から考えて、より人間に近い柔軟で複雑な情報処理が可能になると、開発元は「人工知能である」と宣伝する傾向がある。人々もそれまでにない高水準の機能や性能に驚いて、人工知能として話題にするようになる。

しかし、時間が経ち、そうした技術や製品が社会に広く受け入れられて「当たり前」の存在になったり、より高水準の技術が登場したりすると、その技術を「それほど知的ではなかった」と評価するようになり、人工知能と呼ばなくなる。このような過程をAI効果という。

例えば、1990年代にはビデオゲームのキャラクター操作の一部をプレイヤーに代わって自動的に行う機能が「AI搭載」と宣伝されたが、21世紀には単なるコンピュータプログラムによるありふれた機能の一つとみなされるようになった。2000年代初頭には部屋を徘徊して自動的に掃除を行うロボット掃除機が「AI掃除機」として人々を驚かせたが、現在では誰もこれをAIとは呼ばなくなっている。

(2025.8.6更新)

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