読み方:ちしきひょうげん
知識表現 【knowledge representation】
概要
知識表現(knowledge representation)とは、人間の持つ知識をコンピュータが自動処理できるよう一定のデータ形式で表現したもの。また、そのような表現形式や手法のこと。コンピュータが人間のような知的な活動を行うためには、事物や概念、自然言語の語彙などについて、その属性や関係性などについて一定の形式で記述して与える必要がある。知識表現では一貫した論理と形式に基づいて個々の事柄について記述することを目指す。
代表的な表現手法として、概念間の関係をグラフ構造で表す「意味ネットワーク」、概念のカテゴリーや関連する状況を記述することができる「知識フレーム」、論理的な推論を行うための論理の記述形式を扱う「述語論理」などがある。「RDF」(Resource Description Framework)のように具体的なデータ形式として定義されたものもある。
人工知能研究の黎明期であり1950年代から存在する分野だが、1970年代に研究が活発化した。自然言語の語彙や文法の知識表現を元に言語間で文章の翻訳を行う「ルールベース機械翻訳」、特定分野の専門家として振る舞う対話システムである「エキスパートシステム」、公理と推論規則から数学の定理の証明を行う「自動定理証明」などの応用例がある。
(2025.9.5更新)