読み方 : ストリップス

STRIPS【Stanford Research Institute Problem Solver】

概要

STRIPSとは人工知能における自動計画(プランニング)の問題を記述するための言語。初期状態、目標状態、実行可能な行動という3要素を組み合わせて問題を定式化し、行動ごとに事前条件と効果を定義することで、コンピュータが目標達成までの行動手順を自動的に導き出せるようにする。
STRIPSのイメージ画像

自動計画とは、初期状態から目標状態に至るために必要な行動の手順を求める技術である。あらかじめ細かい動作を指示しなくても、与えられた課題に応じて自律的に行動を組み立てるロボットの制御や、物流経路の最適化、作業手順の生成などに応用されている。

STRIPSは、1971年に米スタンフォード研究所(SRI)で開発された自動計画システムの名称ふだが、現在ではそのシステムが採用した計画記述方式そのものを指すことが多い。人工知能AI)研究の知識表現や自動計画の分野における歴史的な重要技術の一つとして知られている。

STRIPSでは、初期状態(initial state)、目標状態(goal state)、取りうる行動のリスト(actions)という3要素を一組にして記述する。この組を「STRIPSインスタンス」と呼ぶ。初期状態には開始時点で成り立っている事実を記述し、目標状態には最終的に満たすべき条件を記述する。行動のリストには、ロボットの移動や荷物の運搬といった実行可能な操作を列挙する。

各行動には、実行前に満たされていなければならない事前条件(preconditions)と、実行後に成り立つことになる事後条件(postconditions)あるいは効果(effects)を定義する。効果は、ある命題を真にする追加効果と、真でなくする削除効果に分けて表されることが多い。事前条件や事後条件は、ある命題が「真でなければならない」「偽でなければならない」「実行後に真になる」「実行後に偽になる」という4種類に分けて記述されることもある。

STRIPSでは世界の状態を命題の集合として扱い、ある事実が真か偽かという離散的な形式で表現する。計画生成システムは、現在の状態で事前条件を満たす行動を選び、その効果を適用して状態を更新しながら、目標状態へ到達するまでの手順を探索する。このように現実の事象を論理命題の組み合わせに落とし込むことで、コンピュータによる高速な探索や計画立案が可能になる。一方で、連続値や不確実性を直接扱うことには適していない。

STRIPSが提案した記述方式は、その後の自動計画研究における標準的な枠組みの基礎となった。時間制約や数値変数、条件付き効果などを扱える拡張形式も考案され、国際プランニング競技会(International Planning Competition)で用いられている「PDDL」(Planning Domain Definition Language)など、後継の計画記述言語にも大きな影響を与えている。

(2026.6.27更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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