読み方:アイエルエスブイアールシー

ILSVRC 【ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge】

概要

ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)とは、画像データセットImageNet」を利用した機械学習システムの認識精度を競うコンテスト。2010年から2017年まで年1回開催された。

ImageNetは、画像と画像に写った物体のラベル、その物体が写っている画像内の矩形の領域(バウンディングボックス)がセットになったオープンなデータセットの一つで、1400万点以上の画像に2万種類以上のラベルが与えられている。これを教師データとして機械学習に与えることで、画像認識システムを作成することができる。

ILSVRCの参加者にはImageNetサブセットである120万点の画像を1000のラベルのリストが与えられ、これを用いてシステムを訓練する。競技会ではImageNetに含まれない画像データが出題され、最も近いと思われるラベルを回答する。競技内容は回を追うごとに高度になり、犬の犬種の識別、物体の位置推定などが出題される回もあった。

2010年の初回には世界の大学や研究機関などから11チームが参加し、サポートベクターマシンSVM)を利用したチームが分類精度52.9%で優勝した。2012年大会では畳み込みニューラルネットワークCNN)で深層学習ディープラーニング)を行う「SuperVison」(AlexNet)というシステムが84.7%という精度で優勝し、大きな進展をもたらした。

2013年以降はほとんどの参加チームがニューラルネットワークを利用したシステムを構築し、2014年優勝の「GoogLeNet」や2015年優勝の「ResNet」など、その後の研究に大きな影響を与えたモデルを輩出した。2017年大会では参加38チーム中29チームが95%以上の精度を出すようになり、技術チャレンジとしての意義が薄れたとして、この年を最後に大会は終了した。

(2025.9.12更新)

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