マシンビジョン【MV】Machine Vision
概要

画像や映像から対象物の種類や形状、位置、状態などを認識する技術は「コンピュータビジョン」(CV:Computer Vision)と呼ばれる。マシンビジョンはこれを産業機器に組み込み、現場でのリアルタイム制御に適用したものである。センサー部から入力されたデジタル画像を組み込みコンピュータが即座に処理し、判定結果を操作員への通知や機械動作に反映させる。
システムは光学センサーや産業用カメラ、照明装置、画像処理装置などで構成される。対象物を適切に撮像するために照明条件が制御され、取得された画像に対して輪郭抽出や特徴量抽出、パターン認識、寸法計測などの処理が行われる。一般的なカメラとは異なり、高速移動する対象をブレなく撮影できる性能と、過酷な工場環境に耐える堅牢性、短時間で合否判定を下せるリアルタイム性が求められる。
応用例としては外観検査や寸法測定、ロボットガイダンス、バーコードや二次元コードの読み取りなどがある。外観検査ではベルトコンベア上の製品を高速撮影して傷や変形、異物混入を自動検出し、不良品を排除する。ロボットガイダンスでは部品の位置や向きを認識してロボットアームの動作を補正し、正確な組み立てや加工を実現する。バーコードやシリアル番号の自動読み取りは物流や在庫管理、自動搬送などに活用されている。
近年では機械学習、とりわけ高精度のディープラーニング技術の導入により、従来のルールベース処理では困難だった複雑な傷の検出や不規則な形状の判別が実用レベルに達している。画像処理用プロセッサの高性能化によって末端の機器(エッジデバイス)上での推論処理も可能となっており、高解像度カメラや高速撮像技術の進展とあいまって、検査速度と精度の両立が求められる場面での適用が進んでいる。
(2026.6.17更新)