読み方:シュルドル
SHRDLU
概要
SHRDLUとは、1968~70年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)のテリー・ウィノグラード(Terry Winograd)氏によって開発された、自然言語による指示に基づいて動作するプログラム。コンピュータの中に仮想的な箱のような世界を構築し、その中に置かれた様々な形のブロックを動かすことができる。人間はキーボードから英文で指示を入力し、プログラムがこれを解釈して仮想世界内での行動を行う。現在の世界の状態を自然な英文で説明させることもできる。
ブロックは直方体、円錐、三角錐、球など様々な形状をしており、赤や青など色が付いている。「赤い円錐を青い直方体の上に置いて」といった自然言語による指示に基づいて、仮想世界内でブロックを指示通りに動かす。
「青い直方体の上にあるブロックは?」と現在の状態を尋ねると「赤い円錐です」と答えることができる。過去の指示から文脈を補うこともでき、円錐がいくつかあるときに「円錐をブロックの上から外して」と指示すると、直前に動かした円錐のことだと理解することができる。
当時のコンピュータの能力では世界の状態をグラフィックス表示することは難しかったため、仮想世界の状態や行動は文字でのやり取りで確かめることしかできなかったが、後にプログラムを拡張して3Dグラフィックスによる表示機能を追加したバージョンも開発された。
(2025.9.5更新)