DRMフリー【DRM free】
概要

DRMフリーのコンテンツには暗号化や認証機構による保護が存在しないため、利用者は複数の端末へのコピー、バックアップの作成、対応する別のソフトウェアでの再生などを自由に行える。特定の配信サービスが終了した場合でも、手元のファイルをそのまま利用し続けられる。
ただし、技術的な制限がないことは著作権上または契約上の制約がないことを意味しない。著作権法や利用規約はDRMの有無に関わらず適用され、権利者の許諾を超えた複製や再配布、公衆送信、改変などは著作権侵害となる。入手または使用時に利用許諾契約(ライセンス)が課せられる場合は、その条件を遵守する義務も生じる。
DRMで保護されたコンテンツは、正規の利用者であっても再生端末の台数制限やオンライン認証といった制約を受けることがある。DRMフリーの商品はこうした制約がなく汎用的な環境で利用できるため、利便性や互換性に優れる。一方、コンテンツ提供側にとっては違法コピーや無断配布が技術的に容易になるというリスクがある。
それでもDRMフリーを採用する事業者が存在するのは、利用者の利便性を高めることで競合との差別化を図る狙いがあるためである。音楽配信では2000年代後半以降、主要サービスがDRMフリーのMP3ファイルやAACファイルの販売へ移行し、それまで主流だったDRM付きの配信サービスは駆逐された。パソコン向けゲーム配信でも、購入者の利便性を重視してDRMフリー形式を採用するストアがある。
電子書籍や動画配信では再生環境の技術仕様や寡占的な市場構造などの事情からDRMが引き続き主流だが、一部の出版社や配信サービスではDRMフリーの電子書籍を提供している。なお、DRMの代わりに購入者の識別情報をファイルに埋め込み、不正流出時の流出元を特定できるようにする「ソーシャルDRM」と呼ばれる手法も存在する。