読み方 : とっきょポートフォリオ

特許ポートフォリオ【patent portfolio】

特許ポートフォリオとは?

企業や研究機関などが保有する複数の特許を、技術分野や事業戦略に基づいて体系的に整理し、全体として価値を高める考え方。関連する技術領域の特許群を組み合わせることで、より強固な権利保護と事業上の優位性を確保することができる。
特許ポートフォリオのイメージ画像

特許は通常、個別の発明ごとに出願され権利化されるが、実際の製品やサービスは複数の技術要素の組み合わせによって成立する。そのため、企業は中核技術だけでなく周辺技術や応用技術についても継続的に特許を取得し、互いに関連づけた集合として管理する。

このように構成された特許の集合体が特許ポートフォリオで、競合他社による模倣の回避、技術交渉の優位性確保、事業領域の防衛などの目的で活用される。個々の特許の価値は限定的であっても、複数の特許が連携することで同業他社に対する交渉力や参入障壁を高める効果が生じる。

特許ポートフォリオの構築では、研究開発の方向性と知的財産戦略を連動させることが求められる。基本技術に関する広い請求範囲の特許を取得すると共に、改良技術や利用形態に関する特許を追加することで、技術領域を多層的に覆うことができる。異なる技術分野にまたがる特許を組み合わせることで、新たな製品分野への展開を見据えた布石とする場合もある。他社が保有する特許との関係を分析し、自社の弱点となる領域を補完する研究開発を推進するなど、継続的な見直しも行われる。

この概念はライセンス交渉やクロスライセンス契約においても用いられる。多数の関連特許を保有している場合、相手企業との交渉で包括的な使用許諾を提案できるため、単一特許よりも交渉力が高まる。また、特許の売却や技術提携の際には、個別の特許ではなくポートフォリオ全体として評価されることが多い。

資格試験などの「特許ポートフォリオ」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令4 問10】 特許戦略を策定する上で重要な“特許ポートフォリオ”について述べたものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。