FSMO 【Flexible Single Master Operation】

概要

FSMO(Flexible Single Master Operation)とは、Active Directoryドメインフォレストに複数のドメインコントローラがある場合に、特定の役割を指定された一つのドメインコントローラに集中させる機能。

オブジェクトデータ構造を定義するスキーマを集中管理する「スキーママスタ」、フォレスト内のドメインの名前を管理する「ドメイン名前付けマスタ」、オブジェクト識別子の一部であるRIDを管理する「RIDマスタ」、時刻同期やアカウント情報の変更などを管理する「PDCエミュレータ」、ドメインを横断するグループの情報を管理する「インフラストラクチャマスタ」の5種類がある。

前二者はフォレストごとに一台のドメインコントローラが、後三者はドメインごとに一台のドメインコントローラが担当する。通常、最初にActive Directoryを導入されたドメインコントローラがFSMOの機能を受け持つことになるが、管理者の操作によって他のドメインコントローラ委譲することができる。

一般にActive Directoryでは、複数のドメインコントローラが互いに管理情報を複製しあっており、どのドメインコントローラで作業しても同じようにデータを更新することができる。しかし、例えばパスワード変更の直後に情報の伝播に時間がかかり、ログインできるコントローラとできないコントローラが出てしまうなどの問題が生じることがあるため、FSMOによってあらかじめ決められた特定のドメインコントローラに管理権限を集中させるようになっている。

(2018.10.25更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる