Active Directory証明書サービス【AD CS】Active Directory Certificate Services
概要

ネットワーク上の通信を暗号化したり本人確認のための電子署名を行う際にはデジタル証明書(公開鍵証明書)が用いられる。Active Directory証明書サービスを利用すれば、こうした証明書を外部の認証局に依頼せず自社内で発行できる。発行コストを抑えつつ、社内のセキュリティポリシーに応じた運用設計が可能になる。
Windows Serverに標準で含まれており、サーバマネージャーから役割を追加することで利用を開始できる。Active Directoryドメインサービスと連携させることで、組織内の認証基盤と統合した証明書運用を実現することができる。
構築の形態には、Active Directoryと連携せず単独で認証局を運用する「スタンドアロンCA」と、ドメインサービスと連携して動作する「エンタープライズCA」の二種類がある。エンタープライズCAでは、証明書テンプレートとグループポリシーを連動させることで、ドメインに参加している利用者やコンピュータに対する証明書の自動発行・自動更新が可能となり、手作業による配布や管理の手間を減らせる。
認証局としての機能に加え、無効になった証明書をまとめた「証明書失効リスト」(CRL)を発行する機能、Webブラウザを通じて証明書の要求や取得を行うための機能、クライアントからの証明書状態の問い合わせにリアルタイムで応答するオンラインレスポンダー機能なども提供される。さらにネットワークデバイス登録サービスを利用すれば、パソコンだけでなくルータやネットワークスイッチなどのネットワーク機器に対しても証明書を配布できる。
これらの機能を組み合わせることで、社内の無線LAN認証やVPN接続、WebサーバのHTTPS化、電子メールの暗号化やデジタル署名など、様々な用途の証明書を社内で発行・運用することが可能になる。一方で、認証局自体の秘密鍵やサーバの管理を自社で担う必要があるため、適切な運用体制と鍵管理の仕組みを整えることが求められる。