移動ユーザープロファイル【roaming user profile】

個人利用のWindowsでは、利用者がログオンした端末のストレージ内に、設定情報や個人用ファイルをまとめた専用領域(ユーザープロファイル)を作成する。壁紙やスタートメニューの構成、アプリケーションの設定、ドキュメントフォルダのファイルなどがここに含まれる。この「ローカルプロファイル」は端末固有のものであるため、別の端末でログオンしても引き継がれない。
一方、Windows ServerとActive Directoryが導入された組織内ネットワークでは、各利用者のプロファイルをサーバ上の共有フォルダで一括管理する。これを「移動ユーザープロファイル」という。利用者がログオンするとサーバからプロファイルが読み込まれ、ログオフ時には変更内容がサーバへ書き戻される。
設定はActive Directoryのユーザーアカウントにプロファイルパスを指定するだけで有効になり、個々の端末に手を加える必要がない。オフィスや学校など、利用者に専用端末がなく空いている端末を使い回す環境でよく用いられる。端末が故障した場合も、別の端末でログオンすれば元の環境を復元できる。
一方、ログオン・ログオフのたびにサーバとのデータ同期が発生するため、プロファイルの容量が大きいとその分だけ時間がかかる。デスクトップに大量のファイルを置いている場合などは、ネットワーク越しの転送処理が増加し、動作が遅くなりやすい。また、サーバや通信回線に障害が生じるとログオンできなくなる場合もある。このため、グループポリシーでプロファイルの容量や対象フォルダを制限するなど、運用上の工夫が求められる。
こうした問題を軽減する手段として、Windowsには「フォルダーリダイレクト」という機能がある。ドキュメントやデスクトップなど特定のフォルダのみをサーバ上に直接配置するもので、移動ユーザープロファイルと組み合わせることでプロファイル全体の同期量を減らし、ログオン時間の短縮につながる。なお、社外への持ち出しが多いノートパソコンのようにオフライン利用が前提となる環境では、常時接続を必要とする移動ユーザープロファイルよりも、他の同期技術が選ばれることもある。
関連用語
本ページを参照・引用している文書・論文など (外部サイト)
- 東京工業大学 教育用電子計算機システム Webサイト 「お知らせ
」にて参照 (2023年11月)