メッセージパッシング 【message passing】
概要
メッセージパッシング(message passing)とは、プログラム間の連携方式の一つで、あるプログラムから別のプログラムへメッセージを発して処理依頼を行う方式。オブジェクト指向プログラミングや分散オブジェクト技術などに応用されている。あるプログラムから別のプログラムを機能を利用する際、特定の関数などを呼び出すのではなく、プログラムに対して処理依頼を記述したメッセージを発する。メッセージを受け取ったプログラムは適切な処理を判断して実行し、結果を返答する。
オブジェクト指向プログラミングではオブジェクトが別のオブジェクトにメッセージを送ることで処理を進めていく。手続き型プログラミングでは何を対象にどう処理するか依頼する側が詳細に指定したり手続きを使い分けなければならないが、オブジェクト指向では各オブジェクトは自らが管理するデータ(プロパティ)の処理方法(メソッド)を知っており、外部のオブジェクトは行いたい処理をメッセージにして伝えるだけでよい。
メッセージパッシングの概念は、コンピュータ内部で動作するプログラム同士が連携するプロセス間通信(IPC:Inter-Process Communication)や、これをネットワーク越しに別のコンピュータ上のプログラムにも行えるよう拡張した分散オブジェクト技術でも用いられる。各プログラムは相手方の実装や実行手順の詳細を知る必要はなく、特定形式のメッセージを送り合うことで連携することができる。
(2023.10.17更新)