WildFly 【JBoss Application Server】
概要
WildFly(JBoss Application Server)とは、オープンソースで開発されている有力なJava EEアプリケーションサーバの一つ。オープンソースとして公開されており、米レッドハット(Red Hat)社が企業向けの商用版「JBoss Enterprise Application Platform」(JBoss EAP)を販売している。旧称は「JBoss Application Server」。Java EE(Jakarta EE)を基盤とするWebアプリケーションサーバの一つで、EJBコンテナやサーブレットコンテナ(Apache Tomcatを内蔵)などとして動作する。LinuxなどのUNIX系OS、Windows Serverなど様々なプラットフォームに対応する。LGPL(GNU Lesser GPL)に基づいて配布されており、自社製品に組み込んで出荷するといった使い方もできる。
主な特徴として、軽量で高速、システムを停止せず更新するホットデプロイ対応、必要なクラスだけを読み込むモジュール型のクラスローダなどがある。Apacheなど外部のソフトウェアと連携して動作させられるほか、Webサーバの「Undertow」やRDBMSの「HSQLDB」などが内蔵されており、単体でWebアプリケーションを動作させることができる。
1999年に公開された初版は「EJBoss」という名称だったが、「EJB」はJava開発元の米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems/当時)の登録商標だったため「JBoss」に改名された。主要開発者らの設立したJBoss社が開発や商用版の販売を手掛けていたが、同社は2006年にRed Hat社に買収された。
オープンソース版の「JBoss Application Server」と商用版の「JBoss Enterprise Application Platform」の名称があまりに酷似していたため、オープンソース版を「JBoss」を含まない名称に改めることになり、開発者コミュニティでの検討の結果、2013年に現在の「WildFly」となった。
(2022.5.11更新)