読み方 : ちゅうしょうメソッド

抽象メソッド 【abstract method】 abstractメソッド / アブストラクトメソッド

概要

抽象メソッド(abstract method)とは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)で用いられる特殊なメソッドで、実装を含まず宣言のみが定義されたメソッドサブクラスで必ず実装すべきメソッドを示している。
抽象メソッドのイメージ画像

解説 オブジェクト指向は互いに関連するデータ群と、データを操作するための手続き(メソッド)を「オブジェクト」という単位にまとめるプログラミング手法で、通常はオブジェクトの雛形であるクラスメソッドの宣言と処理内容の記述を行う。

抽象メソッドは名前や引数、返り値の型といった宣言部分のみが記述された特殊なメソッド定義で、処理の本体(実装コード)が存在しない。クラス継承したサブクラス(子クラス/派生クラス)が共通して必ず実装すべきのメソッドを指示するために用いられる。

抽象メソッドを含む形で定義されたクラスを「抽象クラス」(abstract class)と呼び、実装の存在しないメソッドを抱えるため、それ自体をインスタンス化することはできない。使用する場合は必ずサブクラスを作成し、すべての抽象メソッドを実装しなければならない。

JavaやC#などでは、メソッド宣言構文に「abstract」キーワードを追加することで抽象メソッドであることを示すことができる。C++言語ではほぼ同様の仕組みを「純粋仮想関数」(pure virtual function)という。

(2025.8.30更新)

他の用語辞典による「抽象メソッド」の解説 (外部サイト)