RAII 【Resource Acquisition Is Initialization】
概要
RAII(Resource Acquisition Is Initialization)とは、オブジェクト指向言語で、インスタンスの初期化時に資源の確保を行い、破棄時に解放を行うという考え方。C++言語のスマートポインタなどの応用例がある。C++のような言語では、クラスをインスタンス化するために実行時に動的にメモリ領域を確保する場合、不要になった時点で領域を解放して空き領域に戻すコードを記述する必要があるが、うっかり解放し忘れてメモリリークに繋がる例が後を絶たない。
RAIIの考え方では、インスタンスの初期化(コンストラクタ呼び出し)とメモリの確保を、インスタンスの破棄(デストラクタ呼び出し)とメモリの解放を結びつけて、インスタンスが生成されたスコープを抜けると自動的に破棄と解放が行われるようにする。
インスタンスが無効になれば自動的にメモリが解放されるため、メモリリークが起きにくい。ガベージコレクションによる解放と異なり、いつ領域が解放されるのかコードから簡単に知ることができる。スコープ中で例外処理が発生したときも、スコープを抜ければ自動的に解放処理が行われるため、delete文の実行し忘れのような事態が起きない。ただし、デストラクタ中で発生する例外をうまく処理することができない難点がある。
(2024.2.9更新)