ccTLD 【country code Top Level Domain】 国別トップレベルドメイン
概要
ccTLD(country code Top Level Domain)とは、インターネット上で用いられるドメイン名の最上位階層の識別名(TLD:トップレベルドメイン)の分類の一つで、国・地域ごとに割り当てられたもの。日本を表す「.jp」などが該当する。インターネットドメイン名は識別名を「.」で区切って並べた階層構造になっているが、トップレベルドメイン(TLD)はその右端にある最上位の識別名である。ccTLDは全世界から登録を受け付ける「.com」などの「gTLD」(generic Top Level Domain)と並んでよく使われるもので、主に各国・地域内で展開する組織やサービスの識別に用いられる。
原則として国コードの標準規格であるISO 3166に定められた2文字コードを使用しているが、一部例外もある。例えば、イギリス本国のccTLDは「.uk」だがISO 3166の国コードは「GB」である。また、英領アセンション島のccTLDは「.ac」、英領セントヘレナ島は「.sh」だが、ISO 3166では両者をまとめて「SH」となっている。
欧米諸国の海外領土などには本国とは別のccTLDが与えられており、独立国の数より多い約250個が存在する。国家連合として唯一EUが「.eu」ドメインを運用している。国の併合や独立、国号の変更に伴って新設・廃止される場合もある。旧ザイールの「.zr」が廃止されコンゴ民主共和国の「.cd」に移行した例や、旧ユーゴスラビアの「.yu」が廃止されセルビア共和国の「.rs」とモンテネグロの「.me」が新設された例などがある。
運用方針の違い
割り当て業務やDNSサーバの管理は、インターネット資源の調整・管理を行うICANNによって認定された「レジストリ」と呼ばれる組織が行う。例えば、日本のJPドメインを管理するレジストリは株式会社日本レジストリサービス(JPRS)である。
各ccTLDの取得要件はレジストリが決めることになっており、多くの国・地域では域内に居住・登記する個人や法人にしか発行しないといった制限を課しているが、gTLDのように誰でも取得できるようにして外貨の獲得源としている国もある。
割り当てられたコードがたまたま英単語に一致したり覚えやすい並びになっている国・地域に多く見られ、著名な例には「.tv」(ツバル)、「.to」(トンガ)、「.cc」(豪領ココス諸島)、「.in」(インド)、「.ac」(英領アセンション島、日本の.ac.jpや英国の.ac.ukなど大学を表すセカンドレベルドメインに一致)などがある。
ccTLDの構造や予約語などもレジストリが独自に定めており、「.ac.jp」「.co.uk」のように組織種別を第2レベルに置いたドメイン名を運用する国(日本、韓国、イギリスなど)、すべての第2レベルが組織ラベルになっている国(ドイツ、フランスなど)など様々である。
国際化ccTLD (IDN ccTLD)
ドメイン名にローマアルファベットやハイフン、数字以外の各国言語の文字を使えるようにするIDN(Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名)の仕組みを用いてccTLDをその国・地域の言語による表記にしたもの。
「Punycode」(ピュニコード)と呼ばれる変換方式を用いて「xn--」で始まるアルファベット表記と各言語による表記を相互に変換する仕組みで、利用者のソフトウェア上の表示などではその言語による表記が用いられ、DNS(Domain Name System)上ではアルファベット表記に変換したものが用いられる。
2010年に登録の受付が始まり、日本の「.日本」、キリル文字表記のロシア(.рф)やウクライナ(.укр)、ブルガリア(.бг)、アラビア文字表記のエジプト、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、漢字表記の中国(.中国と.中國の2つ)、香港、台湾(.台湾と.台灣の2つ)などが登録済みである。